いつもみたいに、私に微笑んで。
いつもみたいに、「おはよう」って起きて。
貴方の今の姿なんて見たくない。
安らかに眠らないで、
私を置いていかないで。
いつまでも、
一緒にいてくれるんじゃないの――・・・?











夢を見た。
愛しい人が、まだ生きていた夢。
そして、彼が笑っていた夢を。
「・・・まだ、夢に出てくるか・・。」
どこかで聞いた。
夢に故人が出ると、その人はまだ成仏していないと。
天国には逝っていないんだと。


「カノン―・・・」


彼の死に、最初は認めたくなかった。
幼馴染で、
唯一「兄」と呼べる人で、
最愛の人だったから。
だけど、
日を重ねるに連れて理解できた。
どの場所を見渡しても、
自分の隣を見ても、
彼がいなかったから。
理解をすると同時に、虚無感を覚えた。
いつも救ってくれて、
いつも隣に居て、
支えてくれ、
同時に支え、
そんな関係の人がもう、どこにも居ないのだから。

ふと、窓を見る。
外は綺麗な満月で、星は輝いていた。
彼には、
こんな綺麗な夜に、
永遠の別れを告げたかった。
もう、叶わぬ夢だけれど。

少しの間のあと、
アイズは寝ていたベットから出、
窓の近くまで歩く。
そして、
月に向かって膝をつき、
手を胸の前で組む。
それは、祈りを込めた姿勢。




”Please take him to a place to be able to sleep peacefully. ”








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Please take him to a place to be able to sleep peacefully.
意味:彼を平和に眠ることができるための場所へ連れて行ってください。