いつから、
いつから、俺たちは、
こんなにも歪んだ立場になってしまったのだろう。









―プルルルッ
電話から鳴り響く、電子音。
いつものように、同じ時間に電話が鳴る。
相手も決まってる。
「・・はい、鳴海です。」
「いつも同じ時間に電話をしているんだから、もう少し可愛げにしないか?歩。」

―――兄貴。
「黙れ。」
「つまらない弟だ。」
苦笑をする声が聞こえる。
同時に、人を見下すような・・不愉快な笑いにも聞こえた。
「・・そろそろ、ねーさんにも連絡つけたらどうだ。」
「何故?」
「・・・愛してるんじゃないのか?」

愛してるから、結婚した。
愛も無く、結婚なんてしないだろう。
「あぁ、愛しているさ。」
当たり前だろう?、と付け足して。
本当に、一つ一つの言動が俺を狂わし、苛立たせる。
まるで、計算してるみたいに。
「なら、何で電話しないんだ?」
「・・あぁ、歩。【愛してる】の意味を少し間違えてるな?」
「・・え・・?」
(愛してるに、間違いの意味なんてあるのか?)
少し、悩んだ。
愛してるは、愛してる。
他に意味なんて。
兄貴は言った。冷静に。当たり前のように。
まるで、「太陽」や「地面」など当たり前に存在する言葉のように。
「私はまどかを愛してる。唯、道具としてな。」
「・・ッ!!」
「まどかは、お前を動かさぬ錘として使った。だから、結婚もした。全て、お前の為に。」
全て、計算済み。
因果の如く。

「・・・・・もしかすると、君の近くにいる子もそうかもしれないな。」
冷静に、試すように、静かに兄貴はそう告げた。






―プツッ
電話は切れた。
プーッ、プーッ、プーッ・・・











「・・・やっぱりか。」


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Q,原作無視好きですか?
A,大好きです。それはもう、ヤバイ程に。
清歩なんだか何なのか、もうゴメンなさい。リクしてくれた方orz
今度はきっと、エロちっくな清歩にします。