どうして、
どうして僕らはこんなにも、
時間が無いと言うのだろう。
どうして、
もっと早くから、
愛し合っていないのだろう―・・・・




少しの幸福と大きな決別



お互いに、爆弾を抱えて生きているような生活をしている。
アイズは、ブレード・チルドレンの呪いがいつ発動しても可笑しくなく。
歩は、クローンの限りある時間を、まもなく終わろうとしている。
出会ってから、数年という歳月。
そこから、愛し合ったのはいつだろう。
二年あったとしても、
たかが二年だ。
愛する人と居た時間が、二年と言う短い期間なのだ。
しかも、お互い嫌いではない。
最期まで愛している。
なのに、
あと、数ヶ月もないうちに別れがくるのだ。


「・・ラザフォード?」
隣から歩の声がする。
そうだ。ここは歩の病室なんだ。
さっき、歩を見舞いにと少しばかりの時間を使って来たんだ。
「・・あ・・あぁ。少し考え事をしていた。すまない。」
「いや、べつにいいんだけどさ。」
少しだけ歩がしょんぼりとした表情を見せた。
「・・オレとお前も、もうすぐ死ぬんだよな。」
「あぁ。」
「・・・どうして、オレ達なんだろうな。」
歩が苦笑いを浮かべた。
その表情がとても痛々しかった。
もっと、素直に『まだ生きたい』とかを言えばいいのに。
「・・だが、こんな運命でなければ俺達は出会わなかった。」
「まぁ、そうだけど・・な。ただ、お互いにクローンとかブレード・チルドレンじゃなくて出会えれば良かったんだよって話。」
「・・・確かにな。そうすれば、カノンも死ななかった・・」
「ハァ、これも運命か。」
その言葉を相手が呟いた直後に、
アイズは歩を抱きしめた。
「・・ラザフォード?」
「・・・・・・少しだけ・・・、少しだけこうさせてくれ・・。」
少しだけ、ぎゅっと力をこめて抱きしめる。
歩もそれに答えて抱きしめる。
「・・ん、好きなだけしろよ。」
さっきまでの表情とはうって変わって、ニコリと微笑んだ。






訪れる死よ、
もう少し、
もう少しだけ、
僕達を生かしてください。

もう少しだけ、
幸せな日々が続くように―・・・


二度も、大切な人を失いたくないのに・・・




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短いとか突っ込み禁止ですよ、奥様。(ぁ
アンケートでラザあゆがあったんで書きましたー。
最後の「二度も(以下省略」ってのは両方ですよ。
歩だったらまどかとアイズ。アイズだったらカノンとアイズ。
もう、矛盾だろうが何だろうが形になればいいんだ、小説は(嘘/待て